人生だいたい大丈夫
熊坂義人ブログ
おためごかし
生田さんという人がいて、その人はギターがとてもうまかった。
偏屈で、口が達者で、器用に何でも作るし、凝り性だけれども
対人関係は意外と不器用に敵を沢山作っていた。

当時高校生だった僕はまずギターの腕に圧倒されて
そんでからその人柄に魅了されてしまった。

同じように生田さんにのめり込んでしまったのが
リーダーくどうだいすけこしいしわたるの3人で、
後に僕を含めた4人でヤング☆ナッツを組むのは
偶然ではなくて、生田さんに魅了されたところで既に必至。

さて、その生田さんがよく使っていた言葉が
「おためごかし」だ。
生田さん存命の頃はさっぱり意味が分からなかったし
実は調べようともせずに捨て置いた。
それがいつだかのBE THE VOICEリハの時に
ご一緒したピアニストが教えてくれたのだった。

「御為ごかし」
御為(おため)は、「あなたの為に」という意味で
ごかしは、「こける」(こかす、こけさせる?かな?)といった風な意味。
つまり
「あなたの為になるように動いていますよ〜、といって、
実は自分の利になるようにしていること」
だそうだ。

例えばこんなかしら。

甲「飲み過ぎちったぇ、ううぅぃいいい〜。あ〜、だからな、乙くん、君の、ヒック、あの時のあの態度は、ウップ、あれじゃあ、良くないんだよ!」
乙「部長、呑みすぎですって。」
甲「あのウミウシモドキのぉ、捕食のぉ〜、んふぃ、機能を説明のぉぉ、ときにぃぃぃ。」
乙「部長、もうこの辺にしときましょう!飲み過ぎは体に毒ですって。明日も早いですし、奥さんも待っておられるんでしょう?」
甲「おめ、そんなオタメゴカシおれにゃあ通用、しないよ〜。説教から、逃れたいだけ、うっぷ、だろ〜?」

こんな風に言われたら部下はイヤですね。きっと。

面白い言葉なので、上手いこと使ってみたいんだけれども
これがなかなか使えないものなのよね〜。
そもそも「御為ごかし」って、嫌みな言い方なのかしらね?
意味はわかっても、ニュアンスがわからないからなぁ。

生田さんは上手に使っていたのかしら。


異国
そうだ。
全てを、いつもと同じような目測で考えてはいけない。
忘れていた。ここは巨人の土地だったんだ。

2件隣から出てきて、もうひとつ先の曲がり角を曲がれば公園が見える筈なんだが…。
とにかく造りが巨大だから、近く見えるのに思ったよりも随分歩かなければならない。

待ち合わせは、橋を渡って大通りを右。
道ですれ違う人々は、老人も、女性も、みな巨人。
僕なんかは首をほぼ直角に上へ曲げなければ、とてもじゃないが話が出来ない。

ある時に、ふとしたことで知り合いになった彼は、今思えば異様に大きかったな。
あの時には僕は気付かなかったけれども、彼こそこの巨人の国の住人だったんだ。
おかしいと思ったんだ。彼は、山のようだったもの。

そう、今僕は彼の故郷に来ている訳だが、ここにいると僕はまるで小人だ。
実際、彼らは僕のことを小人として見ている節がある。
なるほど、小人も巨人もお互い様。自分を普通人と感覚しているのだな。

空は見たこともないくらい青い。
彼の目の色のようだ。
空だけではない、海も川も、草も、りんどうの花も、
僕の故郷よりも青みが強くかかっていて、魅力的だ。

彼が見えてきた。
彼は老人と話しているようだ。
その老人は、彼よりも少し背が高い。


こんな国に行った。


僕は今、この国の神話について色々調べてみている。
ふむ。興味深い。